『グリーンブック』エイリアン的レビュー【ネタバレあり】
オハヨウゴザイマス、地球生まれのエイリアと申します。
あい!本日、ついに鑑賞してまいりました。本年度アカデミー賞”作品賞”に選ばれました。
グリーンブックをね!
ふぉう!いやあね、最近アクションモノしか映画館に足を運んでいなかったので、久しぶりに映画という映画を見ましたね。主演のヴィゴ・モーテンセンをスクリーンで見たのが、あの『ロードオブザリングシリーズ』以来になるので、何と言いますか…エモい!
さてさて↓からの今作のレビュ-を語りたいと思います
誰が何と言おうと、この映画は絶対に見た方がいいです。
↑にもあった通り、『グリーンブック』は素晴らしすぎる映画です。
よくある虐げられた黒人と、その敵である白人、という図ではなく、天才ピアニストである黒人の方が教養高く、むしろスノッブで、彼のもとでアメリカ南部のコンサートツアーのドライバーとして、8週間働くことになったイタリア系の白人の方が、貧しい労働者階級という珍しい関係。
だけどその黒人の方も、育った環境から黒人社会にも入れず、かといって白人社会からは差別され、と複雑な想いを抱えているし、白人の方はそんな彼と時間を共有することによって、だんだんに心を通わせていく、という面白い脚本です。
そしてそれが実話ベースというんだから、びっくり。
脚本も演出もとてもいいんですが、なんといっても、ドライバーのトニー役のヴィゴ・モーテンセンとピアニストのドクター・シャーリー役のマハーシャラ・アリが素晴らしいんです。
この二人のケミストリーがこの映画の最大の魅力。
デンマーク系の多才なヴィゴさん、20キロも太って、ブロンクス生まれのイタリア人になりきりました。
「ゴッドファーザー」を思い出すなぁと思っていたら、本物のトニー・バロレンガさんはのちに俳優になって「ゴッドファーザー」で俳優デビューしてたっていうんだから。
ヴィゴさんは「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルン役が忘れられないくらい素敵だったけれど、今回の役では「イースタン・プロミス」を思い出したり。
でも彼のドクター・シャーリーとのやりとりは本当に面白くて声をだして笑ったり。
愛すべきトニー。
マハーシャラ・アリさんは「ムーンライト」や「ドリーム」では気がつかなかったけれど、今回は彼の才能がよくわかりました。
やっぱり南部の黒人差別のシビアなこと。
ひどいよ、あまりにも理不尽。
そしてこれがほんの57年前のことだなんて。
「グリーンブック」、、そんな本まであったんですね。
みている私たちもすっかり彼らの気持ちに感情移入して、ともにこの旅の出来事を共有しているように感じます。
昨今の映画賞で、素の俳優さんたちが多様性を主張して、むしろ逆差別による分断をよりすすめてしまうかのような政治活動の場にかえてしまうよりも、この映画の表現の方がよっぽど痛みが素直に心に伝わってくると思いました。
音楽も素晴らしかった。ドクター・シャーリーのピアノをずっと聴いていたかったです。
今年のアカデミー賞の作品賞、「ボヘミアンラプソディ」も大好きだけど、私はこの作品をイチオシしたいと思います。